Mesh2Surface for SOLIDWORKS機能紹介 その2

 先日、弊社より取り扱いを始めた「Mesh2Surface for SOLIDWORKS」のご紹介をいたします。
 前回は基本的な機能を説明させていただいたので今回は実際に使っている上でここが使い勝手が良い、と感じるポイントを紹介します。
 SOLIDWORKSや他のリバースツールを使用したことのある人でないと少々伝わりにくい内容になりますがご容赦ください。

①拘束をかけながら幾何形状を抽出できる

 リバースモデリングをする場合、実物を厳密に再現する、というのは非常に重要なポイントです。しかし、機械部品をリバースする際には一概にそうとは言い切れない状況があります。

 現実の製品には歪みが生じてしまう為、「図面上、基準面に平行な面」が歪んでいるケースは多々見られます。また、型成型品の場合、抜き勾配が付いていますが、リバースをしていく上で勾配は不要、というケースもあります。

 例えば、これは整列したファンのデータです。X-Z平面を基準面として配置しています。

 作成した平面は設計意図を考えればX-Z平面に平行であるはずです。

 しかし、この選択メッシュに対してフィットするように平面を貼った場合、わずかではありますが、X-Z平面に対して傾いた面になってしまいます。図の面だと0.31°の傾きがあるようです。

 今だと傾いた面よりも、ビシッとX-Z平面と平行な面の方が欲しい場面です。

 ここで面を作成する際に、拘束を指示します。X-Z平面に対しての拘束です。

 拘束をかけて面を貼ると、このように平面とビシッと平行な面が貼られました。

 このように基準面に忠実な面を貼っていけるのは、機械形状に強いSOLIDWORKSの強みを活かすこともでき、非常に相性の良い機能です。

 

 円柱・円錐に関しては2種類の拘束方法があります。

 1つ目は平面に対する拘束。
 拘束の対象に平面を選ぶと、その平面に垂直な軸を持った円柱・円錐を抽出できます。

 2つ目は軸に対する拘束。
 拘束の対象に軸を選ぶと、その軸と方向が平行な軸を持つ円柱・円錐を抽出できます。
 さらに軸を一致にチェックを入れると、拘束軸を回転中心とした円柱・円錐を抽出できます。

 こちらも機械形状を再現していくには非常に便利です。

②ミラー形状・ミラー面の作成

 機械部品にはミラー形状をしている部品が多くあります。

 その為のミラー面を作成する機能が幾何形状の中に含まれています。

 ミラー情報を識別する為のメッシュを選択し、ミラー面の検出をすると自動でミラー面になりそうな重ね合わせ位置を判別し、平面を作成できます。

 この際に、ミラー面位置が正しいかどうか判別する為に、黄色でメッシュのミラーが表示され可視的に確認することができます。

 ズレている場合はXYZ軸の矢印を引っ張ったり、数値を入力することで微調整が可能です。

 

 自動サーフェス・クアッドサーフェス機能を使う場合、ミラー面を指定してサーフェスを作成することも可能です。
(この機能を使う為には、ミラー面をSOLIDWORKSの基準平面にしておく必要があります)

 この指定を入れることでミラー面に対して対称の制御点構成で作成することができます。

 面構成には若干の違いが見られます。

③メッシュの選択非表示

 スキャンデータに深さがある場合や複数のパーツを持つ部品をスキャンした場合、他のデータが邪魔で見くくなってしまうことがあります。

 また、ほぼミラー形状のものをリバースする際に、半分の形状は一旦不要になることもあります。

 こういう場合に、作業する際は通常、断面表示を使いますが、M2Sで扱うメッシュデータは選択範囲から部分的に表示・非表示をさせることができます。

 このウィング部分に隠れている場所を見やすくする為に、非表示にします。

 非表示にすることで先ほどまで隠れていた部分が視認できるようになりました。この機能と通常の断面表示を組み合わせることで、パターンに応じたスキャンデータを複数持つ必要がなく、表示・非表示を切り替えながらリバースを進めることが出来ます。

④交差断面と共に平面を作成

 交差断面機能でメッシュの断面を作成する際に、指定の平面からのオフセット位置でスライスができますが、その時一緒にオフセット位置に新しい平面を作成することが可能です。

 スライス平面上に作成にチェックを入れて交差断面を作成します。

 断面を目で確認しつつ変化があったところで断面をスライスしたり、そこを押し出しの基準にしたかったりという場面であると便利な機能です。

 もちろん、オフセットだけではなく、回転断面でも使用できる機能です。

 

 

 

 今回紹介する機能は以上となります。実際に触ってみないと中々伝わらないのですが、取り上げた中でも特に①の機能は機械形状をリバースする方にとっては有用な機能だと個人的には思っています。

 基本機能に関しては前回の記事で取り上げてますので、合わせてみていただければと思います。

 説明動画等もございますのでご興味のある方は商品ページもご覧ください。

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