SolidWorksの「部品分割」「面の置き換え」

こんにちは。

私は普段、射出成型による樹脂製品の設計案件を社内にて請け負っております。

形状の自由度も高い為、アレコレとモデリングをしていく内に、履歴が複雑になる事もしばしばございます。履歴を整え後先を考えたモデリングを行う事は重要ですが、ついつい横着してしまう事も少なくありません…他にすべき事も沢山ありますし。

そんな中で多様されるコマンドが、「部品分割」と「面の置き換え」です。

1.「部品分割」について(挿入>フィーチャー>部品分割)

部品分割は、スケッチやサーフェス、無限平面等を用いて、1つの形状を複数に分割するコマンドです。 分割される対象はソリッドボディだけではなく、サーフェスやソリッドの構成面にも有効です。

モデリングのコツとして“トリムする際のサーフェス等は大きめに作る事 ” とよく耳にしますが、ソリッドを分割する為に不十分な大きさのサーフェスを用いて「部品分割」をおこなった際、そのソリッドを構成する面要素を分断する大きさであった場合のみ、構成面を分割する事ができます。

2.「面の置き換え」について(挿入>面>置き換え)

以前にも「面の置き換え」については書いた事がございますが、このコマンドはソリッドやサーフェスボディを構成する面要素を、指定したサーフェスに置き換える操作です。

3.これらを組み合わせた横着なモデリング例

例えば、「シェル」が履歴に含まれるデータにおいて、形状変更を行う際はこのフィーチャよりも前に立ち返って修正を行う。これは履歴を残せるCADにおいて、正当な変更方法であると思います。しかし、数えきれない多くのフィーチャーが履歴に残るモデルをロールバックすると、思いがけないエラーが発生する事があります。これを避ける為、履歴をロールバックせずに後付けで修正を行う…私はこれを「横着なモデリング」と呼んでおります。

「分割」と「置き換え」を使用する横着なモデリングの一例をご紹介します。下図はシンプルでありながら、抜き勾配を施し、コア側にボスやフックのある形状です。

これのキャビ側、上面の一辺にC3の面取りを施したとします。 すると面取りを施した部分の内側が薄肉形状となってしまいます。これがフィレットであれば、キャビ側のRの値から板厚分を引いてコア側に施せば板厚は一定となりますが、面取りの場合はそうはいきません。計算で板厚一定になる様に値を指定すれば良いと思いますが、私は頭がよろしくありませんので、できません。

ここで「部品分割」と「置き換え」を使用します。まずは「部品分割」です。面取りを施した面を内側に2mmオフセットします。当然ですが、この面を内側にオフセットしたサーフェスは、形状全体を分断するほどの大きさにはなりません。しかし、肉付けをしたい周辺の面要素は完全に交差できそうです。このサーフェスで「部品分割」を行うと、構成するいくつかの面のみが分割されます。あとは分割された面要素をオフセットしたサーフェスを用いて「置き換え」すれば、コア側を板厚一定に肉付けする事ができます。

今回ご紹介した方法以外にも、シンプルにスケッチャーからの押し出し、分割ラインと置き換え、分割と面削除、面移動.etc…色々な方法があるかと思います。エラーの頻発や中間ファイルとして受け取った履歴が消去されたデータでも修正を容易にでき、一言で「横着なモデリング」などと片付けてしまう方が横着なのかもわかりません。

今回は「部品分割」と「面の置き換え」を使った、横着なモデリング方法をご紹介いたしました。

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