Rhinoceros AIデータ取り込み時のゆがみについて
AI(AdobeIllustorator)を多用するプロダクトデザイナーの皆様残念なお知らせです。
デザイナーがAIを使ってキッチリ寸法を合わせてデザインラインを作成してもモデラーや設計の方にラインは参考レベルとされてしまうことがあります。どういう事かわかりやすいように実験しました。
まずAIを使って直径100ミリの円を描きます。
AIで作成した直径100ミリの円をRhinocerousで開きRhino上で直径100ミリの円を描いて上から重ねます。重ねた時のラインのズレを計測しました。
※左下合わせで重ねました
念の為Rhino5でも開いて計測しました。
AI信者の皆様には残念なお知らせです。AIで真円だと思っていた円は実は真円ではありませんでした。AIで円を作成した時のアンカーポイントの4点の数値はほぼ問題ありませんでしたが、アンカーポイントの途中の箇所に関しては1/100の誤差が生じてしまっています。
数値で図形を制御する為、どれだけ拡大しても狂いが少ないと言われていたで描かれているAIですが基本的に印刷やWeb系でのユーザーが多いためか残念ながら寸法精度という概念がありません。
※pixelやmmといった作業用の単位はあります
対してRhinocerousを始めとしたCADでは小さな精密機械から大きな建築物まであらゆる大きさの設計をするため寸法精度とモデル単位はかなりあります。
今回問題となった寸法精度(距離精度)はこんな感じです。
小数点以下の数が1.0000000までありますこれだと百万分の1でもずれていたらくっついていないと判断されてしまいます。電子顕微鏡でないと見れない寸法です。
また作業単位はこんな感じです。
ミクロンはいいとして半分以上は普通に聞いたことが無い単位ですね。なんのモデルを作るときにこんな単位で作業するんでしょうか。
ともかくCADの場合は単位や精度というのがファイルやCADごとに違ってくるため精度が違う環境で作業するとこちらの環境では面が繋がっているのに先方のCADでは面が繋がっていないと判断されてトラブルの原因になってしまう事もあります。
現状のAI(CC2019現在)では寸法精度を指定できないので残念ながらAIでパスを繋いだつもりでいてもより寸法精度の細かいCADで開いた時に文句を言われてしまうのはこういう事なんですね。
AIの場合は気をつけて直せる問題ではありませんが意識だけしておいたほうがいいかと思います。
以上、ディプロス デザイナー 川合でした。
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